君に届くな

好きだけど届くな それが幸せ

素敵な同居人、ぬか床。

突然だが、わたしはぬか床と暮らしている。ぬか床が我が家に来てかれこれ3週間程だろうか、今となってはすっかりいい友達である。

本当は年齢のことなどは自分自身に呪いをかけているようで話題にするのが好きでないのだが、あわよくば ぬか漬け仲間を増やしたいので自分の心を犠牲にして言う。耳をかっぽじって(ブログだから目か?)聞いて欲しいのだが、歳を重ねるごとに仕事やプライベートの理不尽さが赦せなくなり、手をかければその分結果として返ってくるものを愛でたくなるのである。

 

年々プライベートの人付き合いが減り、定期的に会ったりマメに連絡を取るのは10年来の友人(彼女もまたドルオタ!)くらいなのだが、彼女も自身を取り巻く理不尽さが赦せなくなってぬか漬けを始めたそうだ。きっかけを聞いた時、わたしは共感しすぎて首がもげそうなほど大きく頷いた。しかしぬか床は手入れが大変そうだし、一人暮らしの家は収納スペースなども大きくもない。


そんな時に出会ったのが発酵ぬかどこ 1kg | 発酵ぬかどこ 通販 | 無印良品だ。

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冷蔵庫で保存、週に一度かき混ぜるだけ、捨て漬け*1が不要、なんてお手頃だろうか。これなら初心者でも手を出しやすそう!最悪カビなんか生えて手放すことになったとしても痛くないお値段。ぬか床は気まぐれだと聞いていたので世話ができるか不安で少しだけ迷ったが、気づいたらレジに並んでいた。

ちなみに無印のぬか床には1kgのものと250gの補充用がある。一人暮らしなどで冷蔵庫が小さい人は、割高にはなるが250gを二つ買ってタッパーに移すのも良いだろう。

こうしてぬか床との暮らしが始まった。

 

捨て漬け不要、とは書いてあったが いざ漬けてみるとかなりしょっぱかった。これはぬか床を育てた方がいいかもしれないと思い、きゅうりとキャベツの芯で一度捨て漬けをした。

うんうん、塩味の他にぬかの風味も感じられるようになっていい感じ!次は人参、その次はブロッコリーの芯……。

 

ところでこれは避けて通れない悩みなのだが、野菜を漬けているうちにだんだんと野菜の水分がぬか床に移ってぬか床がゆるくなってくる。初めはキッチンペーパーで水気を取っていたのだが、乾燥しいたけを使うとぬかに旨みが増して一石二鳥という情報を得たためすぐに乾燥しいたけを買いに走った。行きつけのスーパーのはずなのに乾物コーナーは初めてだった。

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水を吸った乾燥しいたけ。どう頑張っても映えないので一生懸命アプリで加工した。

 

さてぬか床はというと、水分は抜けぬかに旨みが増した(ような気がする)。無印良品で購入したぬか床だが、少しずつ少しずつ自分色に染まっていくような気がした。季節や環境、手入れの仕方で味が変化していくぬか漬けは、アイドルの推しを応援するような、我が子を育てていくような、でも人間とは違って見返りを求めても良い、そんな感覚で向き合えるのだ。

 

理不尽さに苛まれて自分自身さえも赦せなくなっても、無条件で愛してくれる存在を大切にしたい。たとえぬか漬けであってもね!

 

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一番の自分の中でのヒット、アボカドのぬか漬け。トロッとしてるのに、味はしっかりぬか漬けなのがギャップでハマる。あまりに長く漬けるとしょっぱくなるので、漬ける長さは24時間以内が良いだろう。

*1:クズ野菜を漬けて、乳酸菌や酵母酪酸菌などの微生物を増やし、新床の発酵をうながすための時間