#j31gate 短歌まとめ
わたしは絵が描けない。いや人並みには描けると自負しているのだけど、描きたいモチーフである推しは「人並み」の画力では到底表現しきれず、描きたいものを描けたら楽しいだろうなぁと思いながら絵師さんのツイートを指をくわえるように見ている。
一方で、文章を書くことは得意である。小学生の頃は区の作文コンクールに何度も選ばれたし、中高生時代は身の回りの出来事を書いたmixiのブログが面白いとささやかながら話題になり、あまり関わりのない他クラスの人たちからマイミク申請がきたこともあった。兎にも角にも、文章を書くことへの自信だけはあったのである。言葉でならアイドルの輝きを表現できるかもしれない、これがわたしが「J31Gate」に参加するようになったきっかけである。
第18回「音」
105:退屈で埃被ったブルグミュラー ねぇあなたならどうやって弾く?(本髙克樹)
111:辞世の句なんか死んでも詠まない俺たちは 痺れる愛が刀の代わり(7MEN侍)
記念すべき初参加作品。わたし自身現在もピアノを弾くのだが、小さい頃から基礎練習や楽譜通りに弾くことが大嫌い。当然ピアノの先生には注意されまくりなので、当時はピアノを習っていながらピアノが嫌いだった。克樹さんはピアノを習っていた頃、どうだったのだろう。真面目に運指練習とかするタイプだったのだろうか。
第19回「夏」
14:胸鳴らせ これが恋だと云うならば 共犯者だねとっくに好きだよ(関ジャニ∞)
72:来世では絶対一緒に花火しよう 願いを胸に乗る大江戸線
2021年、7MEN侍の夏はサマステ。大江戸線に乗って向かうのは六本木である。
第20回「色(アイドル名伏せ)」
24:ワンピース初めて買ったあなたいろ 逸る鼓動はまるでロビンね
25:自分では選ばぬ色だと云うけれど 運命語るはあおいろ樹の葉
アイドル名伏せとのことで、どこまで読んでくれた人に「本髙担だ!」と気づいてもらうかが自分の中でテーマだった。克樹さんは自分でプライベートで使用するものは赤が多いとアイドル誌で話しているし赤いiPhoneはYouTubeにもよく出てくるけれど、それでもアイドルとしての色が緑になることを名前が語っていたんじゃないかなという一首の25。あおは青ではないのであえてひらがなにした。
第22回「ショウ」
76:いつの日かあなたが好きだと言ったから 石鯛さばいて醤油をたらす
ざうおに初めて行った時のウキウキの一首。本髙さんが家をざうおにしたいというまでざうおの存在すら知らなかったのだけど、自分で釣った魚を好きな調理法で食べられるざうお楽しい。
106:それぞれの光さす道進めども 心はずっと“少年のまま”で(J.J.Express)
Hey!Say!JUMPのデビューに伴い自然消滅したものの、ほとんどのメンバーが今は新たなグループでデビューし頑張っているJ.J.Express。ショウがつく単語を考えたときに真っ先に浮かんだのが「少年」だったので彼らのオリジナル曲をモチーフにして詠んだ。懐古厨にも程がある。
第23回「雪」
38:「ねぇ雪よ」スマホのカメラを向けた先 アクリルスタンド冷たさを知る(7MEN侍)
118:会えぬ時間(とき)愛を育てるなんて嘘 止まるな動け【かぼちゃの馬車/新幹線】よ
この辺りから自分なりに短歌の勉強をするようになり、テイストが変わっていった(気がする)。
積雪で新幹線が動かなくなり、友人がジャニーズアイランドに入れなくなってしまった。どうしようもない理由で大好きな推しに会えないなんて想像するだけで涙が出てくる、そんな友人に捧げる一首。かぼちゃの馬車で矢花くんに会いに行ってください。
第24回「人」
70:成り立ちは支え合いだというけれど 一画目だね愛重いから(本髙克樹)
人という字は支え合っているという有名なアレ。一般的な社会においては「支え合い」が成立するのだろうが、少なくとも推しとわたしの関係においては「支え合い」は存在しないのである。おんぶに抱っこ。
124:絶えぬ炎インターネットの海を泳ぐ 人権あるよあの子が好きでも
今回をもってJ31Gateは休止されるそうで、拙い短歌ながらこれまで何度も参加させていただいたことを嬉しく思う。短歌を通じて繋がった友人も多いので、趣味の一つとしてこれからもアイドル短歌を続けていきたい。